マットレスが臭う——そう気づいたとき、まず手が伸びるのがファブリーズや消臭スプレーではないでしょうか。ところが、マットレスの素材によっては、消臭スプレーが臭いをむしろ悪化させたり、マットレスを劣化させてしまうケースがあります。
マットレスの臭いは「何が原因か」によって対処法がまったく異なります。新品のウレタン臭、汗・皮脂の蓄積、おねしょや嘔吐、カビ臭——それぞれに適した消し方があり、間違った方法を使うと状況が悪化することも。この記事では4つの原因タイプ別に、具体的な手順と注意点を正直にお伝えします。
マットレスが臭う4つの原因と見分け方
対処する前に、まず「どの臭いか」を特定することが大切です。臭いの特徴を表にまとめました。自分のマットレスの状況と照らし合わせて確認してください。
【臭いの原因別 早見表】
| 原因タイプ | 臭いの特徴 | 発生時期・場所 | 主な対処法 |
|---|---|---|---|
| 新品ウレタン臭 | ツンとした薬品臭・化学臭 | 購入直後・開封時 全体から | 陰干し・換気(数日〜1週間) |
| 汗・皮脂の蓄積 | 酸っぱい・すえた臭い | 体が触れる表面 長期使用後 | 重曹 → 掃除機 → クエン酸拭き |
| おねしょ・嘔吐 | アンモニア臭・酸味のある強い臭い | 汚れた箇所から 時間経過で強まる | クエン酸水 + 重曹ダブル消臭 |
| カビ臭 | 湿った土・押し入れの奥のような臭い | マットレス裏面・端 黒い斑点と一緒に | エタノール消毒 → 重症はプロ対応 |
「ツンとした化学臭」は購入直後に出る場合が多く、数日で軽減するなら新品ウレタン臭と判断できます。「酸っぱい臭い」が表面から出ているなら汗・皮脂が原因。「押し入れのような湿った臭い」がして、マットレスの裏を見ると黒い斑点があるなら、カビが発生している可能性が高いです。
新品ウレタンマットレスの臭いを取る方法
NELLやモットン、トゥルースリーパーなど、圧縮梱包で届くウレタンマットレスに特有の化学臭があります。これは製造過程でウレタンフォームに使われる「アミン(触媒)」や、繊維のシワ防止に使われる「ホルムアルデヒド」が原因です。製造時の熱で大半は揮発しますが、梱包中に密封されてガスがこもるため、開封時に強く感じます。
正直にお伝えすると:ウレタンフォームから発生するアミンの残存量はごく低濃度で、一般的に人体への深刻な影響はないとされています。臭いが気になることはありますが、健康被害を過度に心配する必要はありません。敏感な方は頭痛や不快感を感じることがあるため、開封後は換気を心がけてください。
正しい消臭手順(陰干し)
- 開封直後に風通しのよい室内でマットレスを立てかける
- 窓を開けて換気しながら2〜3日放置する
- 側生地が取り外せるタイプは、ウレタンフォームを裸にして通気させると効果的
- 1週間経っても臭いが強い場合は購入元に相談する
通常は3日〜1週間で気にならなくなります。2週間以上経っても強い臭いが続く場合は初期不良の可能性があるため、メーカーに問い合わせてください。
汗・皮脂の臭いを取る方法(重曹・クエン酸)
長期間使ったマットレスから「酸っぱい」「すえた」臭いがする場合、汗や皮脂が蓄積しているサインです。就寝中にかく汗はコップ1杯程度と言われており、この水分がマットレスに染み込んで雑菌が繁殖することで臭いが発生します。
用意するもの
- 重曹(粉末):適量(マットレスの表面全体に薄く振れる量)
- クエン酸:小さじ1
- 水:200ml(スプレーボトルに入れて使用)
- 清潔なタオル(数枚)
- 掃除機
具体的な手順
- 重曹の粉末をマットレス表面全体に薄く振りかける(シーツは外しておく)
- 30分〜1時間放置する(重曹が臭い成分を吸着する)
- 掃除機で重曹を丁寧に吸い取る
- クエン酸水(水200ml+クエン酸小さじ1)をタオルに染み込ませ、マットレス表面を軽く拭く(びしょびしょにしないこと)
- 風通しのよい場所で完全に乾燥させてからシーツをかける
推奨頻度:3〜6ヶ月に1回。汗をかきやすい夏前後に実施すると効果的です。
おねしょ・嘔吐の臭いを取る方法
お子さんのいる家庭では特に困るのがおねしょや嘔吐の臭い。尿のアンモニア臭は時間が経つほど取りにくくなるため、気づいたらできるだけ早く対処することが最大のポイントです。
おねしょ(尿)の臭いを取る手順
- 乾いたタオルを押し当てて水分を吸い取る(こすらない・押し当てるだけ)
- クエン酸水(水200ml+クエン酸小さじ1)をタオルに染み込ませ、汚れた部分を叩くように拭く(尿のアルカリ性をクエン酸の酸性で中和する)
- 重曹の粉末を汚れた部分に振りかけ、一晩(6〜8時間)放置する
- 翌朝、掃除機で重曹を吸い取る
- 風通しのよい場所で完全に乾燥させる(半日以上)
嘔吐の臭いを取る手順
- 固形物をティッシュや新聞紙などで除去する(素手は避ける)
- タオルを押し当てて水分を吸い取る
- 消毒用エタノール(濃度70〜80%)をタオルに含ませて汚れた部分を軽く押さえる(殺菌)
- 乾いたら重曹の粉末を振りかけ、1〜2時間放置する
- 掃除機で重曹を吸い取り、風通しのよい場所で完全乾燥
おねしょや嘔吐でシミも残ってしまった場合は、マットレスのシミの原因と落とし方もあわせて参照してください。
正直にお伝えすると:マットレス内部まで尿や嘔吐物が浸透してしまっている場合、上記の手順でも臭いが完全には取れないことがあります。長期間放置した場合も同様です。その場合はプロのクリーニングか買い替えを検討してください。
自分では取れない臭いはプロに相談
おねしょ・嘔吐でマットレス内部まで浸透してしまった臭いは、プロのクリーニングが最も確実です。
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※料金・対応エリアは各サービスの公式ページでご確認ください。
ファブリーズ・消臭スプレーは使っていいの?
多くのサイトでは「ファブリーズをかければ解決」とあっさり書かれていますが、これは半分正解、半分間違いです。マットレスの素材によって、ファブリーズや消臭スプレーが使えるケースと、絶対に使ってはいけないケースがあります。
使えるケース
- カバー・側生地(ウレタン本体ではなく布部分)に噴射する場合:カバーを取り外し、乾かしてから装着しなおす方法なら問題ありません
- コイルスプリングマットレス(ポケットコイル・ボンネルコイル)の表面ファブリック部分:内部がウレタンでない場合は使用後に十分乾燥させれば問題は少ないです
使ってはいけないケース(NGケース)
ウレタンへの代替消臭法:水分を使わない「重曹の粉末振りかけ → 掃除機で吸い取る」方法がウレタンマットレスに最も安全な消臭方法です。
カビ臭がする場合の対処法
カビ臭がする場合、すでにカビが発生している可能性が高いです。まずマットレスの裏面と四隅を確認してください。黒や緑の斑点が見えたら、カビの発生が確認できます。
軽度(表面に少量のカビ)
- 消毒用エタノール(濃度70〜80%)をタオルに含ませる
- カビが発生している部分を軽く押さえるように拭く(広げないように注意)
- 風通しのよい場所で十分乾燥させる
- 臭いが取れたかどうかを翌日確認する
重度(広範囲のカビ・臭いが取れない)
カビが内部まで広がっている場合は、自分での対処は限界があります。プロのクリーニング業者に相談するか、買い替えを検討してください。
カビの除去・予防の詳しい方法は、マットレスのカビの落とし方と予防策で詳しく解説しています。カビ臭で悩んでいる方は必ず参照してください。
プロのクリーニングに頼むべきケースと費用相場
次のいずれかに当てはまる場合は、自分での対処を続けるより、プロのクリーニングを検討するほうが現実的です。
- クエン酸・重曹を試しても臭いが取れない
- おねしょ・嘔吐がマットレス内部まで浸透している
- カビ臭がして裏面に広範囲のカビがある
- ペットの排泄物による臭いが残っている
出張型 vs 宅配型の違い
| 種別 | 特徴 | 費用目安(シングル片面) |
|---|---|---|
| 出張型 | 業者が自宅に来てクリーニング。マットレスを運ぶ手間なし。作業時間は2〜3時間程度 | 約8,000〜15,000円 |
| 宅配型(布団・薄型マットレス向け) | マットレスを梱包して送付。厚型マットレスは対応不可の場合が多い | 約3,000〜8,000円 |
重要な注意点:ウレタン素材・ラテックス素材のマットレスは、出張クリーニングでよく使われる高温スチームが使えないため、業者によっては対応不可の場合があります。依頼前に素材をお伝えし、対応可能か必ず確認してください。コイルスプリングマットレスは多くの業者で対応しています。
正直にお伝えすると、プロのクリーニングでも「素材の経年劣化による臭い」や「内部深くまで浸透した臭い」は完全に除去できない場合があります。業者選びの際は口コミと保証内容を事前に確認してください。
🧹 マットレスクリーニング プロに依頼する
- ✅ 自分では取れない深部の臭い・汚れに対応
- ✅ ダニ退治・除菌オプションも選択可
- ✅ 複数社から口コミ・料金を比較して選べる
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しももとクリーニング(布団・薄型マットレス向け)
※ウレタン・ラテックス素材は対応不可の場合があります。依頼前に素材をお伝えの上ご確認ください。
臭いを予防する5つの習慣
臭いが発生してから対処するより、発生させない習慣をつけるほうがずっと楽です。今日からできる予防策を5つ紹介します。
① マットレスプロテクターの使用(最も効果的)
防水・防臭加工のマットレスプロテクターをマットレスとシーツの間に敷くことで、汗・皮脂・おねしょの浸透をほぼ防げます。子育て中の家庭では特に重要です。洗濯機で洗えるタイプを選ぶと管理が楽です。
② シーツ・カバーの週1回洗濯
シーツや枕カバーは週1回を目安に洗濯してください。マットレスそのものに汗や皮脂が到達するまでの時間を稼ぐための最前線です。日常的なメンテナンスの詳しい手順はマットレスの正しい洗い方・お手入れ方法をご覧ください。
③ 月1回の陰干し・立て掛け
月1回程度、マットレスを壁に立て掛けて通気させましょう。湿気が飛び、カビ・臭いの予防になります。直射日光が当たらない場所で実施してください。
④ 除湿シートの使用(直置きユーザーは必須)
マットレスを床に直置きしている場合、底面に湿気がたまりやすくカビ・臭いの温床になります。除湿シートを挟むことで湿気を吸収できます。マットレスの直置きによるデメリットと対策も参照してください。
⑤ 布団乾燥機の定期使用
布団乾燥機を月1〜2回使用することで、湿気を飛ばし雑菌・カビの繁殖を抑えられます。ダニ対策にもなります(ウレタンの場合は60℃以下のモードで)。マットレスのダニ退治と対策もあわせて参照ください。
臭いが取れない=買い替えサインかも
ここまでの対処法を全部試しても臭いが消えない場合は、買い替えを検討してもよいかもしれません。ただし、臭いだけが理由で買い替えるのはもったいないケースも多いです。以下の「複合的な劣化サイン」が重なっている場合に買い替えを推奨します。
買い替えを検討するなら、返金保証付きのマットレスがおすすめです。実際に使ってみて合わなければ返品できるため、失敗しにくいです。返金保証付きマットレスのランキングで詳しく紹介しています。
臭いとへたりが重なったら買い替えどき
- ✅ NELL:120日間返金保証。ポケットコイル構造で通気性に優れ、臭いがこもりにくい設計
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※返金保証の条件・返送料等は各公式サイトでご確認ください。
よくある質問(FAQ)
- Qマットレスの臭いは体に害がありますか?
- A
新品ウレタンの化学臭(アミン・ホルムアルデヒド)は、一般的に通常の量であれば人体への深刻な影響はないとされています。ただし敏感な方は頭痛や気分不快を感じることがあるため、開封後2〜3日は換気しながら使用してください。1週間以上強い臭いが続く場合はメーカーに問い合わせることをおすすめします。一方、カビや雑菌による臭いは呼吸器系に影響が出る可能性があるため、早めに対処してください。
- Qウレタンマットレスの臭いが1週間経っても取れません。不良品ですか?
- A
圧縮梱包の製品は1週間程度かかることがあります。換気を続けることで徐々に軽減するケースが多いです。ただし、2週間以上経っても強い臭いが残る場合は初期不良の可能性があるため、購入元・メーカーに相談してください。NELLやモットンなど返金保証付きのマットレスであれば、保証期間内なら返品も選択肢に入ります(各公式サイトの保証条件をご確認ください)。
- Q重曹の代わりにセスキ炭酸ソーダでも消臭できますか?
- A
セスキ炭酸ソーダは重曹よりアルカリ性が強く、油脂汚れには向いていますが、粉末を振りかけて臭い成分を吸着させる用途には重曹のほうが適しています。消臭には重曹、シミ取り(特に血液など)にはセスキと使い分けるのがおすすめです。マットレスへの使い方についてはシミの落とし方記事もあわせてご覧ください。
- Qマットレスのカビ臭と汗の臭いはどう見分けますか?
- A
カビ臭は「湿った土」や「押し入れの奥」のような独特の臭いで、マットレスの裏面や端に黒い斑点が見られることが多いです。汗の臭いは「酸っぱい」「すえた」臭いで、体が触れる表面(上面)から主に発生します。まずマットレスの裏面を確認し、黒や緑の斑点があればカビが原因と判断してください。カビの場合はエタノールでの消毒が必要です。詳しくはカビの落とし方記事をご覧ください。
- Q子どものおねしょ臭がどうしても取れません。どうすればいいですか?
- A
クエン酸水スプレー+重曹の粉末を一晩放置するダブル消臭で、多くのケースは対処できます。それでも取れない場合は、内部まで浸透している可能性が高いため、出張型のプロクリーニング(シングル片面で約8,000〜15,000円)が最も確実な選択肢です。今後のために、防水マットレスプロテクターを使うと次回以降の浸透を防げます。マットレスに残ったシミの対処法はシミの落とし方もあわせてご覧ください。
まとめ:臭いの原因を特定して正しく対処する
マットレスの臭いは「まずファブリーズ」という対処法が広まっていますが、ウレタンマットレスへの消臭スプレー直接噴射は加水分解リスクがあり逆効果になりかねません。
- 新品ウレタン臭 → 陰干し・換気で3日〜1週間で軽減。スプレーはNG
- 汗・皮脂 → 重曹(粉末)→ 掃除機 → クエン酸拭き。3〜6ヶ月に1回実施
- おねしょ・嘔吐 → クエン酸水 + 重曹ダブル消臭。内部浸透ならプロへ
- カビ臭 → エタノール消毒。広範囲はプロクリーニングか買い替え
マットレスの汚れ全般についてまとめた記事も用意しています。マットレスの汚れの落とし方まとめもあわせてご覧ください。
参考資料・調査元(2026年5月時点)
- ユアマイスター マットレスクリーニング
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